商品の詳細
要旨(「BOOK」データベースより)
危機的な財政状況、少子高齢社会の到来のもとで、社会的インフラストラクチャーたる税制はどうあるべきなのか。「低福祉・低負担」/「中福止・中負担」/「高福祉・高負担」のいずれを我々は選び、その選択を受けた今後の税制改革を新たな視点でどう進めるべきなのか。―政府税制調査会長を務め、税制改革の渦中にあった著者が、安心、安全そして希望のもてる未来のために、明確に答える。目次
はじめに第1章 増税時代の到来か――パラダイムの転換!
1 税制改革=増税は不可避か
増税時代の幕開け
「増税請負人」の役割
増税は国民の選択
2 何故,増税が議論されるのか――財政赤字累増と高齢社会の到来
先進国最悪の財政状況
財政赤字の何が問題か
超高齢社会の到来
膨張する社会保障給付
3 財政再建をどう進めるべきか
税の自然増収に頼るな!
財政再建のための増税幅
プライマリーバランスの限界
風頼みの政策運営を排す
4 上げ潮政策への疑問――インタヴューに答える
政治家は選挙目当て
借金がもたらす危機
消費税アップは不可避だ
「10%」で収めたい
税調は専門家集団に
第2章 税制改革の主役交代――官主導から政治主導へ
1 政府税制調査会の果たす役割
政府税調の創設の背景
何を,どう審議するのか
自民党税調との棲み分け
2 審議会方式とその限界
日本の審議会方式
審議会方式の変質
目指すべき改革の方向
ポリシー・ウォッチャーの必要性
3 会長交代劇の背景
官主導の終焉
会長交代の内幕――あえて増税時代の悪役に
一色軍団での政策決定は危険
「成長ですべて解決」は間違い
税調会長の報酬はゼロ
政治家を選ぶ国民の目こそ
第3章 国民の理解とマスコミ報道――どう改善しうるか
1 租税教育の必要性
税金とは何か
国民の納税義務
希薄なタックスペイヤーの意識
貧弱な租税教育
2 「サラリーマン増税」騒ぎとその結末
「論点整理」の真の狙い
政治的な利用とマスコミのバッシング
二つの選択
3 マスコミ報道の責任
増税と国民の理解
無責任な報道と報道被害
私の苦笑い
失敗訓――税に対する説明責任必要(記者のコメント)
4 政党の責任と国民の対応
歳出削減は可能か
責任政党のあり方
選挙と争点隠し
第4章 政治的にタブー化した消費税――どう克服しうるか
1 消費税導入までの苦闘――繰り返された挫折
取引高税と「付加価値税」
一般消費税の失敗とその教訓
売上税騒動とその結末
2 消費税に漂う悪夢
四度目の挑戦
一夜で消えた国民福祉税構想
増減税一体処理と消費税率引き上げ
3 社会保障財源としての復権
安定財源としての消費税
選挙に弱い消費税
試される国民の眼力
4 これからの消費税の姿
消費税率引き上げ
福祉目的税の是非
軽減税率とインボイス
地方分権と地方消費税
第5章 迫られる所得税の復権――改革の原点
1 「あるべき税制」からの所得税改革
「論点整理」の視点
実現した課税ベースの拡大
所得区分と税負担のバランス
2 税収確保機能の復活
減収と相次ぐ減税措置
定率減税の廃止
所得税負担は本当に重いのか
3 金融所得課税一体化の意義
所得税のアキレス腱
金融所得課税の一体化とは何か
格差社会と税制
4 三位一体改革と税源移譲
迷走した三位一体改革
国から地方への税源移譲
税源移譲への疑問
選挙対策の「ふるさと納税」
第6章 複雑な法人税の立場――今後の目指すべき方向
1 政策税制が租税原則を歪める
伝統的な租税原則と政策税制
シャウプ税制とその修正
「中立」か「活力」か
参考にすべきは後期レーガン税制
政府税調の存在意義
2 経済活性化の視点
法人税率を引き下げるべきか
研究開発・設備投資減税とその後始末
減価償却制度の見直し
3 公益法人改革と寄附税制
公益法人制度改革の視点
寄附金と税制
日本の寄附文化
むすびに代えて
参考文献
著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
石 弘光(イシ ヒロミツ)1937年東京に生まれる。61年一橋大学経済学部卒業、その後同大学大学院経済学研究科博士課程中退の後、同大学経済学部助手、専任講師、助教授、教授。98‐2004年、学長。現在、一橋大学名誉教授、放送大学長。専攻は財政学。経済学博士。2000‐06年の間、政府税制調査会の会長を務める。著書に『財政構造の安定効果』(勁草書房、1976年、毎日エコノミスト賞)、『租税政策の効果』(東洋経済新報社、79年、日経・経済図書文化賞)、『財政改革の論理』(日本経済新聞社、82年、サントリー学芸賞)など多数
商品の説明
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: 石 弘光: books, biography, latest update
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